いのちの付箋プロジェクト

1冊の本が持つ『人と人をつなぐ力』を伝えたい

あなたが読んだ本を紹介してください。

医療人文専門出版社さいかすでは、2020年、患者さんのために「本当に役に立つ本」を集めたブックガイド『いのちの付箋』の出版を計画しています。
患者さんのために本当に役に立つ本とは何か、その答えをひとつにまとめることはできません。
さまざまな情報が溢れる中、私たちがまとめたいと思ったものはエビデンスや最新治療の情報ではなく患者さんひとりひとりの「物語の中にある本」でした。
多くの患者さんや家族が、本を読むことで救われたというお話をききます。フィクション、ノンフィクション、ベストセラー、同人誌、小説、闘病記、詩集、マンガ、心を励まされた本はそのジャンルもさまざまです。
ひとり一人が感じ方も違います。性別も年齢も家族構成も収入も宗教もそれまでの生き方もこれからの生き方も病気との向き合い方も。
だからこそ、あなたにとって大切な本を紹介させてください。
あなたを力づけた本の持つ物語は、きっと大きな共感力を持っています。

2019年11月15日
株式会社SCICUS
『いのちの付箋』編集部
発行責任者 落合 隆志
東京都杉並区西荻北4-1-16-201
お問合せ先:03-5303-0300

企画趣旨『いのちの付箋ブックガイド』

『いのちの付箋』は患者さんに「本当に役立つ本」を紹介するブックガイド企画です。
闘病記を集めたものでも、最新治療ガイドを集めたものでもありません。ひとりの人間にとって大切な本として、実際に患者さん自身が読み、大切にされている本を紹介します。そして、心を動かされた箇所に付箋を貼るように紹介いたします。
我々はその付箋を『いのちの付箋』と呼んでいます。
現在、100冊の本を紹介することを目標に企画を進めております。

出版・謝礼

皆様にご紹介いただいた本をまとめ、『いのちの付箋 ブックガイド(仮)』(判型:A5サイズ、単色刷り ページ数:100P前後 本体予価:1,000円 発行:さいかす)として、2020年内の出版を予定しています。
掲載させていただいた皆様には、出版後本書を1部寄贈させていただきます。
また、この企画は患者支援を行う団体への活動支援も目的としています。
本書は弊社直営書店および全国医学書取り扱い書店で販売されますが、患者支援団体での委託販売も計画しています。
その際は、販売金額の40%を活動資金として寄付いたします。限られた紙面ですが、書籍の中で患者会の活動を紹介する項目も設けさせていただきます。

企画立案に至った個人的な体験

少しだけ私の自己紹介をさせてください。

私は落合隆志と申します。16年前に医療系出版社SCICUS(サイカス)を設立し、普段は医療に関する英語の本や医療の統計、医療政策に関連する書籍を企画・出版しています。
私に患者経験はありませんが、物心ついた時から1年の半分を病室で過ごす父親を中心とした患者家族の生活を続けてきました。16歳の時に父のすい臓がんが分かり、私自身が父に告知し手術後すぐ父が不慮の肺塞栓で術死するという体験をしました。
母と幼い妹と一緒に途方に暮れながら父の入院中の遺品を整理していた時、1冊の詩集を見つけました。
英語教師だった父は入院中、週刊誌や小説の傍らにジョン・キーツの詩集を置いていました。
18世紀イギリスの夭逝の詩人です。詩集のあちこちには入院中の出来事を綴った父の書き込みがあり、最後のページには、手術の前日の日付と共にキーツの墓碑に刻まれた言葉が残されていました。
大手術を前に万が一の辞世の言葉を残したのか、好きな詩人の言葉を記して勇気を振り絞って手術に立ち向かったのかは分かりません。
ただ、父にとって、この詩集は闘病・手術という現実に対して心を励ます力になっていたのだと思いました。
詩集は父を病気そのものから救ってはくれませんでしたが、父が最後に読んだ本を手にしたことで、家族が改めて父に向かい合うことができたのです。
詩集で病気に立ち向かうなんてきっとお父さんぐらいよね、そういってようやく母が笑った時、私は1冊の本が持つ『人と人をつなぐ力』を感じました。

この30年間で医師と患者の関係性も大きく変わりました。
患者の権利という言葉が生まれ、医師たちも患者に丁寧に向き合おうとしています。
今こそ、人と人をつなぐ力が求められている時代だと感じます。
医療コミュニケーションにさまざまな手法が生まれる中、私は自分の原点にある、1冊の本が持つ『人と人をつなぐ力』を信じてみたくなりました。
万能薬が存在しないように万能な本はありません。しかし、ひとりひとりに、父にとってのキーツの詩集のような心を励ましてくれる『本』があるのではないでしょうか?
私には患者家族としての体験しかありませんが、患者の生き方の数だけ支えてくれる「本」があるのではないかと思います。
そして、その本は、患者と患者家族をつなぐ、医師と患者のこころをつなぐ、患者と患者をつなぐ、さまざまなつなぐ力を持っています。
わたしはできるだけ多くの「あなたをささえてくれる本と言葉」を集め、それを別の「あなた」と共有するお手伝いをしたい、と考えるようになりました。
この『いのちの付箋』という出版企画は、その第1弾として企画しているものです。
ぜひ、あなたの大切な本を紹介してください。

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